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ローマ人の物語Ⅶ 悪名高き皇帝たち

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 タイトル:ローマ人の物語Ⅶ 悪名高き皇帝たち
 著者:塩野七生
 出版社:新潮社

本書は、アウグストゥスが死んだ後の「ユリウス・グラウディウス朝」を扱います。
すなわち、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4人です。
カリグラ(カリギュラ)とネロは余りにも有名ですね…。^^;

カエサルが礎を築き、アウグストゥスが完成の域にまで高めた帝政ローマですが、アウグストゥスは帝位の正当性を維持するために、自らの血統による継承を強く願います。
しかし、アウグストゥスの男子はいずれも早世してしまい、妻の連れ子で養子にしたティベリウスが治世を継ぐことになります。ティベリウスは大衆受けをする社交性は持ち合わせていませんでしたが、帝政ローマの政治的基盤を更に発展させる中継ぎとして十分な役割を果たしました。
また、クラウディウスもティベリウスの弟の息子であり、アウグストゥスの血を引いていませんが、カリグラの失政の後を受けた帝政の立て直しをすることができました。
皮肉なことに、ユリウス・グラウディウス朝を崩壊させたのは、カリグラとネロという、アウグストゥスの娘の系統を継ぐ皇帝たちであり、血統による継承により、自らの家系とローマ帝国そのものの継承を意図したアウグストゥスの願いは、もろくも崩れ去っていくことになります。

結局のところ、世襲の問題点…すなわち、優れた皇帝が後を継ぐとは限らず、不適切な継承がなされた場合に、是正する手段がない、というのが現れてしまったということだと思います。
これを是正するためには、王朝自体を廃絶するしかなかったというのも頷けるところです。
しかしながら、帝政初期に4代のうちに2代と、これだけ失政が続いても、ローマ帝国自体が崩壊しなかったのは、幸運に恵まれた面もあったのでしょうが、それだけ帝政ローマの政治機構が盤石になっていたということだと思います。
優れた政治機構はシステム化されているため、トップの交代という個性の変化だけで、直ちに機能停止しないというメリットがあるのだと思います。(もちろん、トップの交代の影響は大きいとは思いますが。)

アウグストゥスは、血統による継承には失敗しましたが、システムによる継承には成功したというところでしょうか。

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